桃の手紙~作画・落合崇秀~
『ママ、ママ、大好きだよ』
『ママもミー君のこと大好きよ』
『ママ、私もママ大好き』
『ママもマリちゃんのこと大好きよ』
『私だって大好きだもん』
『ママもミニちゃんのこと大好きよ、
さあみんな、ねんねですよ』
ママ猫と、ミー君、マリちゃん、
ミニちゃんは、仲良くねんね。
いつもとかわらない、
四人の安らかで幸せな時間。
いつものように、
幸せな「おはよう」があるはずでした。
『ママもミー君のこと大好きよ』
『ママ、私もママ大好き』
『ママもマリちゃんのこと大好きよ』
『私だって大好きだもん』
『ママもミニちゃんのこと大好きよ、
さあみんな、ねんねですよ』
ママ猫と、ミー君、マリちゃん、
ミニちゃんは、仲良くねんね。
いつもとかわらない、
四人の安らかで幸せな時間。
いつものように、
幸せな「おはよう」があるはずでした。
・・・でも、
目覚めた子猫たちの目に映ったのは、
見たことのない景色。
目覚めた子猫たちの目に映ったのは、
見たことのない景色。

『ココはどこ?どこなの?』
それ以上に、驚いて、悲しかったのは、
ママがいなかったこと。
冷たい固い段ボールの中に、たった三匹…。
『ママーっ!!ママーっ!!』
ママがいなかったこと。
冷たい固い段ボールの中に、たった三匹…。
『ママーっ!!ママーっ!!』
何度も何度も、
三匹の子猫は呼び続けました。
何も食べてなくて、
お腹がペコペコで、
フラフラしてきた。
でも、僕たちは
声が枯れるまでママを呼んだんだよ。
何度も何度も…
力を振り絞って
『ママーっ!!ママーっ!!』って。
三匹の子猫は呼び続けました。
何も食べてなくて、
お腹がペコペコで、
フラフラしてきた。
でも、僕たちは
声が枯れるまでママを呼んだんだよ。
何度も何度も…
力を振り絞って
『ママーっ!!ママーっ!!』って。
でも、やってきたのはママじゃなかった。
たくさんの、人間たちがやって来た。
僕たちのことを
『かわいい』『かわいい』と言って
乱暴に持ち上げたり
触ったりしたんだよ。
たくさんの、人間たちがやって来た。
僕たちのことを
『かわいい』『かわいい』と言って
乱暴に持ち上げたり
触ったりしたんだよ。

怖くて怖くて…
痛くて、苦しかった。
痛くて、苦しかった。
僕たちは『かわいい』ってことの
意味は分からなかった。
けど、凄く怖い言葉だと思ったの。
意味は分からなかった。
けど、凄く怖い言葉だと思ったの。
そんな人間がたくさん来て、
去っていった一日…。
僕たちは、
ヘトヘトになって眠ったよ。
ママのことを考えながら…
去っていった一日…。
僕たちは、
ヘトヘトになって眠ったよ。
ママのことを考えながら…
朝がきたのに、
一番おちびのミニちゃんは
いつまでたっても起きなかったの。
一番おちびのミニちゃんは
いつまでたっても起きなかったの。
『どうしたの?ミニちゃん!』
僕ととマリちゃんは
何度も何度も
ミニちゃんを呼んだけど
ミニちゃんは眠ったまんま
何度も何度も
ミニちゃんを呼んだけど
ミニちゃんは眠ったまんま

今度は触って起こそうとしてみたら
いつもポカポカで暖かい
ミニちゃんのお腹が、冷たかったんだよ。
いつもポカポカで暖かい
ミニちゃんのお腹が、冷たかったんだよ。
『なんでミニちゃん冷たいの?』
『なんでミニちゃん起きないの?』
『なんでミニちゃん動かないの?』
僕たちはミニちゃんに話しかけたけど、
ミニちゃんは返事をしなかった。
ミニちゃんは返事をしなかった。
『マリちゃん、きっとミニちゃんは疲れて寝てるんだよ』
『そうだね、もう少し寝かせといてあげようか…』
『そうだね、もう少し寝かせといてあげようか…』
そんな話をしていたら、
また人間たちがいっぱいやってきたんだよ。
また人間たちがいっぱいやってきたんだよ。
昨日と同じように僕たちを乱暴に持ち上げて
『かわいい』『かわいい』と言ったよ。
そしてミニちゃんを見て
『死んでるね』『かわいそう』と言って
ミニちゃんを土の中に埋めてしまったの。
『かわいい』『かわいい』と言ったよ。
そしてミニちゃんを見て
『死んでるね』『かわいそう』と言って
ミニちゃんを土の中に埋めてしまったの。
『やめて』って何度も言ったのに
『やめて』って何度も叫んだのに
僕たちは自分の力で
箱の中からも出ることも出来ず
ミニちゃんを守ってあげることが出来なかった。
『やめて』って何度も叫んだのに
僕たちは自分の力で
箱の中からも出ることも出来ず
ミニちゃんを守ってあげることが出来なかった。
怖くて・・・悔しくて・・・涙がでた。
疲れきった僕たちは
二人身を寄せあって、眠ったんだ。
次の朝、また人間がやってきた。
僕たちは怖くて怖くて、
もうヘトヘトだったけど、
声を振り絞って言ったんだよ。
『あっちへ行って!何もしないで!
ママ助けて!怖いよ!』
僕たちは怖くて怖くて、
もうヘトヘトだったけど、
声を振り絞って言ったんだよ。
『あっちへ行って!何もしないで!
ママ助けて!怖いよ!』
でも、今度の人間は
何も言わずに、僕たちをそっと抱き上げた。
そして何処かへ…。

着いた場所は、なぜかママの香りがしたんだ。
僕たちは、
その「ママの香り」に近付き…飲んだ。
『ママの味がするね』
『ミルクだよ、いっぱい飲んでね』
そう人間が言ったよ。
そう人間が言ったよ。
いっぱい飲んだら、
お腹の中が熱くなって、ポカポカしてきた。
そして、久ぶりの暖かさに包まれて眠ったよ。
人間は、僕たちを二人だけにして、
そっとしておいてくれたんだよ。
目が覚めると
あれだけ弱っていた身体が、
少しだけ元気になっていたの。
横を見ると、マリちゃんも少し、元気そうだった。
そしてその人間がまた
温かいミルクを持ってきてくれた。
『いっぱい飲んでね。ゆっくり仲良くなろうね』
そう言って、ちょっと離れたところから、
僕たちを笑って見ていたよ。
お腹の中が熱くなって、ポカポカしてきた。
そして、久ぶりの暖かさに包まれて眠ったよ。
人間は、僕たちを二人だけにして、
そっとしておいてくれたんだよ。
目が覚めると
あれだけ弱っていた身体が、
少しだけ元気になっていたの。
横を見ると、マリちゃんも少し、元気そうだった。
そしてその人間がまた
温かいミルクを持ってきてくれた。
『いっぱい飲んでね。ゆっくり仲良くなろうね』
そう言って、ちょっと離れたところから、
僕たちを笑って見ていたよ。
次の日も次の日も、そのまた次の日も…

ママへ
ママは元気ですか?ミー君だよ。
僕たちに、新しいママが出来たんだよ。
そのママは人間だけど、凄く優しいんだ!!
僕たちのしたいこと、嬉しいこと、
なんでもわかってくれるママなの。
そうそう新しい名前が付いたんだよ
『桃』って名前なんだ!
マリちゃんは『ラナ』になったよ♪
僕たちは元気だよ♪
幸せです。
でも僕たちは、本当のママの顔を
良く思い出せなくなってきちゃったんだ。
桃
でも僕たちは、本当のママの顔を
良く思い出せなくなってきちゃったんだ。
桃

作者&挿絵:落合崇秀陶房・落合崇秀
協力:ブログ友達♪
ブログ絵本を書いての後書きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/ochiai_takahide_toubou/11608677.html
協力:ブログ友達♪
ブログ絵本を書いての後書きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/ochiai_takahide_toubou/11608677.html
最後まで読んで頂きありがとうございました。
共感してくださった方、
是非、転載お願いします。
そしてお子様が居る方、
子供さんに読んで聞かせてあげてください。
この絵本でこの世から捨猫、
捨犬が少しでも減ることを信じて。
そして共感して転載して下さった方
1年後2年後にもう一度転載してください。
新しい人に見て貰えます。
その時赤ちゃんだったお子が
理解できる歳に成っています。
是非、宜しくお願い致します❤ฺ(*◡‿◡✿ฺ人)❤ฺ
初掲載2008年2月10日
第2版~2008年2月14日
落合崇秀陶房
落合崇秀
落合崇秀
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猫大好きの私は、何度読んでも大号泣です。
猫だけでなく、改めていろんな事を考えさせられました。
投稿: カンナ | 2008年3月11日 (火) 12時01分
*カンナさん
私はウルッと来て、転載したのですが、
カンナさんは大がつくほど号泣なのですね。
優しいですね。
確かに。。いろいろ考えさせられますね。。。
私はコロ嬢がいなくなってから、猫ブログを見るようになり、
猫を愛する人は本当にたくさんいること、
増えすぎた猫とともに家庭崩壊される方もいれば、
公園に捨てられた猫達を助けるとする人もいて、
多くのことを知りました。
素晴らしいイラストと文章を転載することで
私も何か投げかけができれば・・と思いました。
投稿: LOON | 2008年3月11日 (火) 14時21分