水木しげるさんの「水木しげるの古代出雲」

今月はもうちょっとのんびりするつもりが、アクセサリーのセール関連で、あっという間な日々でした。

おおかた発送も済み、みなさんから嬉しいご感想を頂き、静かにジーンと感激する日々です。メール返信が遅れていますが、順次返信しますので、よろしくお願いしますm(__)m。

さて、話はガラッと変わって。

私はここ10年くらい、神社や日本の神様に興味を持ち、古事記に興味を持つものの、なかなか本は読めなかったです。

古事記の現代語訳はいろいろ出ていて、何度か手にしたこともあるけれど、とにかく読みにくいのが、正直な印象です。

登場人物である神様の名前は長くて覚えにくく、ようやく覚えたと思ったら、すぐ別の神様の話になってしまう。

しかも、それぞれの話に関連があるかと思えば、あまりないことがほとんどで。

それでもこの10年の間には、日本の神様カードを使ったお陰で神様の名前をだいぶ覚えられ、本やネットの情報などで少しずつ頭に入るようになりました。

今年読んだ里中満智子さんの「天上の虹」では、天武天皇の時代に古事記と日本書紀の編纂がなされ、持統天皇がそれを受け継いだ様子が描かれています。

編纂を担当した甥の苦労や、皇族ではない藤原不比等が古事記の編纂にひたひたと関わる様子など、里中さんの膨らませた話もあるだろうけど、わかりやすく描かれていました。

その後、トーマさんのメルマガで、里中さんの描かれた「古事記」があるのを知り、

試しに買って読んだら、とてもわかりやすくて良かったです。古事記を忠実に漫画で再現しており、現代語訳を読むのなら、これが断然お勧めです。

が、今日紹介するのは、最近読んだ水木しげるさんの「水木しげるの古代出雲」です。

子供の頃、ゲゲゲの鬼太郎はテレビで楽しみましたが、水木さんの漫画を手にしたのは初めてです。

古事記を読んでいると、「それってちょっと、無理があるよね」と感じることが多く、ツッコミどころが満載ですが。

中でもひときわ目立っているのが、名前がいくつもあり、活動範囲がとても広い大国主（オオクニヌシ）です。

特に気になったのは、国譲りです。

古事記では、穏便に事がなされたと描かれているけれど、国を譲れと迫られて、そう簡単に渡せるものじゃない。ドンパチ何か衝突や戦いがあったはずだと思ってました。

春先から、日本の神様に触れる機会があり、もうちょっと理解を深めたく思い、ネットを探してみたら、水木さんのこの本を知った次第です。

今から30年前、出雲の荒神谷遺跡で銅剣が大量に発見されたと報じる新聞記事を水木さんが読み。

大和政権に対立した出雲王朝があったに違いないと、確信するところから始まります。

古事記や出雲風土記の話がほぼ忠実に描かれ、時折水木さんの解説や考えが盛り込まれてます。この時代のアジア情勢や鉄の話など、わかりやすくてグーでした。

が、その後、謎の古代青年が水木さんの夢枕に30年前から現れていたこと、自分達のことを書いて欲しいと訴えていたことが描かれます。

国譲りとは何だったのか。ある晩、水木さんの夢枕に立った古代青年は、水木さんを古代のある場面へと連れて行きます。

これが、漫画の良い所ですね。

その場面が史実かどうかは、誰にもわからない。水木さんの空想物語かもしれないし、本当にタイムスリップして、その場面を見たかもしれない。

読者が好きに判断して良い所ですが、私自身は、これが史実だったのでは・・　と思いました。

縄文時代から弥生時代にかけては、中国大陸や朝鮮半島から人々が何度かやって来たこと、時には大量流入したことも事実。

古代、神々が天孫降臨し、その子孫である神武天皇が東に向かい、大和政権と天皇家につながるという話も、水木さんは、

「天孫降臨とは、対馬を経て北九州あたりにやって来た人々のことだろう」とざっくり描かれ、大いに納得しました。

古事記の神話を読んでも、何かスッキリしない方には、是非お勧めです。

神社もね。本当は、隠された秘密がいっぱいあるみたいです。私達が、自分のルーツを知るのは大切なこと。

こうして思いを馳せることで、まだ知られていない真実が出やすくなりますように。